2017年5月27日土曜日

Manchester by the Sea

古巣の映画館にManchester by the Seaをみにいった。アカデミー賞を獲ったせいか中々込んでいた。前から二列目まで誰もいなかったので二列目真ん中を陣取る。



故郷から離れマンションの便利屋として細々と生活を送っていた主人公。兄の死をキッカケに数年ぶりに街に戻るところから始まる。物語が進むにつれ、街を離れた理由がみえてくる。色々と省略しますが…
後半、彼は静かに発する。乗り越えられないと。極めて誠実な姿勢に心を打たれる。想像を絶する経験をした人間は、そう簡単には忘れられないはずである。だから乗り越えられるわけがない。なんでもかんでも問題化して解決しようとするのは息苦し過ぎる。解決できる術を知っていても耐えられるかもわからない。挑戦できたり、強い人ばかりではない。そんなことから解放されることでよりよく生きられるのならそれでいいではないか。世の中には乗り越えよ、精神を強く保て等と言う人々が数多いると思うが、そういった人々がいることに少しは目を向けられないか。恐らくその殆どがなんらかの確信があるから厄介なのだろうが…



この映画をみながら今読んでいる「当事者研究の研究」という本の一節を思い出した。
当事者研究は必ずしも問題解決を目的とはしていない。当事者研究は「問題解決技法」ではなく「生活の中で起きてくる現実の課題に向き合う(態度)なのである」

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